部門別選択
西鉄ストアでは、郊外型SM店、鉄道沿線SM店、都市型小型店、飲食店など、様々な特性をもつ店舗があるため、統一規格商品 だけではなく、それぞれの地域・業態のお客様ニーズに合った商品開発にも取り組んでいます。
今回受賞した「博多名物『ごまさば』巻」は、青魚を好む食文化のある福岡県の郷土料理・ソウルフード「ごまさば」のレンジメニューです。「ごまさば」は、おかずやお茶漬け、酒の肴として、家庭で作って食されてきましたが、近年はアニサキス問題などもあり、調理済み品を購入する家庭が増えています。
そのニーズを捉え、「ごまさば」を手軽に味わえる巻き寿司を開発しました。原料には秋・冬に五島や対馬海域で獲れたブランド鯖「旬(とき)鯖」のみを使用しています。新鮮なうちにさばき、九州特有の甘い醤油とすりごま等に漬け込んで調味し、これを急速冷凍することで、美味しさはそのままに安全・安心に食することができます。
店舗では、ササニシキにオリジナルの酢を合わせたものに、わさび風味青高菜を混ぜた色鮮やかな酢飯で、大葉・玉子焼・しば漬け・たっぷりの「ごまさば」を巻いていきます。わさびと大葉の風味でさっぱりと、しば漬けが味と食感のアクセントとなり爽やかに「ごまさば」の旨味を味わえる仕上がりとなっています。今後も社内の各事業部と連携し、他にはない価値ある商品を開発・提供することで、お客様の豊かな暮らしに貢献していきたいと思います。
博多名物『ごまさば』巻
株式会社西鉄ストア
商品本部 商品開発部 バイヤー
上田 浩史
「浜名湖産青のり香る鮎めし」は、6月の鮎漁の解禁に合わせて、頭から尻尾まで食べられる鮎の塩焼きを使用した弁当です。2021年に「骨まで食べれる三陸産秋刀魚と秋の味覚御膳」で最優秀賞をいただき、お客様から高い支持をいただきました。
また、魚離れが進む中、魚を食べるきっかけとなりました。魚弁当はほとんどが鮭や鯖などの海魚を使用しておりますが、マーケットに無いものを創るのが彩裕フーズのDNAです。地方の山奥に行くと、焼いた鮎を茶めしと一緒に炊いた鮎めしを提供され、感動したことがあります。この鮎めしを再現しようと考えました。
特別な調理法「モリヤ製法」で塩焼きした鮎は、もちろん頭から尻尾まで食べられます。腹を裂かずに肝を残しており、鮎めしの肝のほろ苦さも堪能できるようにしました。鮎めしの"めし”の部分ですが、ただの茶めしではありません。茶飯だけでもおいしく食べられますが、茶めしを超える、 五感を刺激する何かが欲しいと試行錯誤したところ、浜名湖産生青のりとの相性が良いことが分かりました。
茶飯に生青のりを混ぜ込むことで、淡白な鮎の身と生青のりの旨みと香りが大変心地よく、五感を刺激します。付け合わせには長ネギと生姜を炊いたもの、茗荷の甘酢漬けを添え、アクセントとしました。これからも彩裕フーズは、天然由来の原料を使用し、素材の味を活かし、安心・安全な商品づくりでお客さまに喜んでいただけるおいしさや楽しさ、そして驚きを提供していきます。
浜名湖産青のり香る鮎めし
彩裕フーズ株式会社
商品開発室 バイヤー
山本 孝二
FLOW TOKYOは、“食”に関わる企画会社として2019年に誕生し、「“食”で日本を元気にしたい」という思いから、コロナ禍となった3年前よりフードデリバリー事業を展開しております。今回受賞した当社ブランド三河屋青果の「お魚弁当」は、野菜をメインにお魚のおかずなど約20品目の献立が入ったバランスのとれた懐石折詰です。
三河屋青果の野菜は単純な「煮物」ではなく、新鮮野菜を素材本来の歯応えや色合い、うま味、香りなどの特長を最大限活かすように、職人が一品一品個別に調理・味付けしています。火入れも最低限に留め、素材の歯ごたえや風味を最大限に引き出します。根菜類は炊く、蒸すだけではなく、蒸した後に地漬けし、なすは揚げびたし、パプリカやズッキーニは オリーブオイルと塩を使用し浸透圧で味付けするなど、素材に合わせて調理法を変化させます。
献立によっては二日間をかけて味入れをしています。特に女性のお客さまからは「まるでサラダのような煮物」と、大変支持が高いです。 使用する出汁は、鹿児島県産の鰹節と北海道産の昆布を使用した一番だしのみを使用。お魚のおかずは、鮭や鯖の塩生焼きなど、旬の素材を使用しています。
そして、三河屋青果の自家製野菜味噌は、10種類以上の野菜や薬味を炒めて味噌と併せて熟成させた味噌で、ご飯のお供として大変好評です。今後は、お肉を使用したメニューの要望も多く、新メニュー開発にもチャレンジする予定です。
お魚弁当
株式会社FLOW TOKYO
事業部長 兼 総料理長
加藤 貞彦
当社は昭和3年に八百屋として創業し、2023年に95周年を迎えました。当社のお惣菜は、お客さまが「この商品がこんなにお値打ちなの!?」と、驚きと喜びのある惣菜の提供を心掛けています。
当社では、現在の奈良県である旧大和国の在来野菜である「大和の伝統野菜」を使用した惣菜の研究・開発を約10年前から実施してきました。大和の伝統野菜を使用したおいしい惣菜商品を開発し、大和の伝統野菜や奈良県により興味を持っていただきたいと考えました。
今回使用した「大和丸なす」は田楽や焼きなすなどに適しており、また、形状にも特徴があるので、この形状を活かした和洋折衷の商品に仕上げることで、若いお客さまにも関心を持っていただきたいと考えました。
まず、丸なすを上部からくり抜き、身をダイスカットし両方を油調します。油調前に水にさらして灰汁をしっかりと抜くことがポイントです。また、本体はピーラーでストライプ状にすることで、食べやすい仕上がりになります。その後、ダイスカットの身を田楽風味噌とチーズに絡めたものと本体をオーブンで焼いた後、ダイスカットの身を本体に戻し、チーズをかけてさら に200°Cのオーブンで焼いて仕上げます。かなり手間のかかる商品ですが、トロトロの茄子と味噌とチーズの相性は抜群です。
現在、海なし県の奈良県内において、ふぐやバナメイエビの養殖が進められています。今後は、これらを使用した弁当の開発をして、より奈良県をアピールしていきたいです。
大和丸なすの味噌チーズ焼き
株式会社八百彦商店
惣菜部 バイヤー
福岡 博行
「惣菜屋ももたろう」は、昭和63年に私の父が創業し、保存料や添加物を使用せず、手作りでしか出せない“身体が喜ぶ美味しい”を目指している新潟県十日町市の惣菜店です。また、屋号のももたろうの由来は、「日本一のおいしさ、日本一になる、誰にでも覚えてもらえる」という気持ちが込められています。
「国産大豆のみそ豆」は、「老若男女誰が食べてもおいしい」をコンセプトに、祖母が作ったレシピをもとに製造しました。新潟県特産のエンレイ大豆をカリッと食感で提供するみそ豆で、他ではあまり食べられない一品です。当商品は、エンレイ大豆を真水に一晩漬けたあと、約160°Cの油でじっくりと1時間弱かけて揚げます。
その日の温度や湿度によって揚げ上がりの時間が変化するため、何度も試食しながら最終揚げ時間を決めます。ここがおいしいみそ豆に仕上げるための一番重要なポイントといえます。しっかりと豆をふやかすことで、よりカリッと揚がります。
揚げたての豆を、赤味噌や砂糖、水飴、 胡麻などを合わせたものと素早くかき混ぜます。手でしっかりとかき混ぜることで、豆一つ一つに味噌と水飴がコーティングされ、豆の表面が硬化し、一粒一粒がくっつかなくなります。味ムラや硬化ムラがありましたが、かき混ぜる温度やタイミングを調整することで、安定してきれいに製造できるようになりました。今後は当店自慢の焼き豚を使用した米飯商品も開発していきたいです。
国産大豆のみそ豆
惣菜屋ももたろう
製造マネージャー
徳永 江里子
サミットでは、インストア調理のサラダやカットフルーツを提供する「フレッシュサラダ&カットフルーツ」コーナーを多くの青果売場に導入しており、店内販売の野菜・果物を使用し、店内製造でしか提供できない新鮮なサラダを展開しています。当商品は「野菜・果物を主役にする」というテーマのもとに、「冬を味わうサラダ」をコンセプトとして開発しました。
冬のかぶは甘みが強く、じっくりと育っており小気味よい歯応えがあります。 冬の春菊は葉や茎が柔らかく、香りも強すぎず上品です。みかんは甘さと酸味、香りのバランスの良いものを選んでいます。
「サラダにみかん?」と思う方も多いかもしれませんが、彩りも良く、実はものすごく相性がいいんです。購入者の多くは女性ですが、男性のファンも増えています。ドレッシングは、既製品やオリーブオイルなどをいくつも試しましたが、上手くマッチングするものがありませんでした。
業務用の塩糀ドレの存在を思い出し、使用してみたところ大変親和性が良く、これしかないと感じました。食べるときは、塩糀ドレッシングをかけて蓋をし10回シェイクしていただくと、全体に塩糀ドレッシングとみかんの香りが絡み、おいしくいただけます。今後も“野菜・果物を主役”にしたテーマのもと、青果部門らしい商品開発に取り組んでいきたいです。サラダというカテゴリーには、あまりタブーはないと考えており、自由な発想のもと、より価値を高めた商品を提供していきたいです。
福岡県産ブランド無花果『とよみつひめ』とトリュフソースのサラダ
サミット株式会社
青果部 バイヤー
瀬戸口 栞
デリシャス・クックは、高付加価値のある商品づくりを目指す惣菜製造企業です。季節感と彩り、そして素材を活かした商品開発を心がけ、食に関する情報に常にアンテナを高く張りながら商品開発に望んでいます。
今回、プラントベースフードの需要が高まる中、動物性食品不使用のサラダ、いわゆるヴィーガンを意識したサラダボウルを開発しました。ヴィーガンサラダは健康的な反面「たんぱく源が無く、物足りない」という意見も多く、その欠点を補いより満足感のある商品にしたのが「1食分の野菜が摂れるブッダボウルサラダ」です。
サラダベースには、動物性食品不使用のイタリアンドレッシングと混ぜやすくするためにダイスカットキャベツを敷き、白ぶどう酢のビネガーソースで味付けをした当社自慢の紫キャベツのマリネやキャロットラペ、セミドライトマトなど、8種類の野菜とキヌアなどを彩りよく盛りつけました。
また、満足感を出すために、高野豆腐の唐揚げを新たに自社開発した他、ひよこ豆等に香辛料を混ぜ合わせコロッケに似た食品ファラフェルもトッピング。高野豆腐は戻す時間が難しく、何度も失敗した甲斐があり、お客さまから「香ばしくて、味わい深く、これだけでも食べたい」と好評価です。
1/3日分の野菜摂取の目安量は約117gですが、当商品は152gあり、ボリューム面でも満足できる一品です。今後は、トルティーヤや生春巻きに続く新しい巻物の開発や海外のトレンドを取り入れた商品の開発に取り組んでいきたいです。
1食分の野菜が摂れるブッダボウルサラダ
デリシャス・クック株式会社
営業開発部 開発課
國井 沙希子
デリシャス・クック株式会社
営業開発部 開発課
小森 若菜
仙台発祥の麻婆焼きそばを自社製麺で作りました。自家製麺使用の焼きそばは、その食感や風味から、人気商品となっております。焼きそば麺用に何度も選定を重ねた粉を自社で製麺することで、麺の太さや切断する刃にもこだわり、ウジエオリジナルのおいしさをより追求した麺が完成しました。
今回は、そんなこだわりを詰めて作った麻婆焼きそばをお客さまにお腹いっぱい楽しんでいただけます。当商品に使用する麺は、焼きそば用の麺を茹でたあと短時間蒸し上げ、炒めてから使用します。そうすることで、時間が経っても水っぽくならず、モチモチ食感が持続し、麻婆餡とよく絡むようになります。
こだわりの餡は、本場中国四川の痺れる辛さ、病みつきになる辛さと旨味を再現しておりますが、日本人の口にも合うように隠し味にケチャップを入れており、辛さの中にも甘みと奥深さを感じられるように設計してあります。できるだけ風味を残すため、花椒は最後に入れるようにしています。お客さまによりおいしく食べていただくために、麺と餡の重量比の研究も重ね、麺:麻婆餡が4:6の状態が一番おいしく最後まで食べられることがわかりました。
今回の麻婆焼きそばを通じて、お客さまに商品をもっと知っていただき、地元をさらに盛り上げていけるようになればと考えております。現在、私は新設された商品開発室専任となっており、自社製造のスイーツ開発に注力しています。値頃でリピート率の高いスイーツを開発したいです。また、コスパがよく、お客さまが驚くような米飯開発もしていきたいです。
仙台グルメ麻婆焼きそば
株式会社ウジエデリカ
開発室 室長
石山 史門
「二種海苔と胡麻が香る一口海老天重」を開発したのは、上司と天重を食べている時のこんな発言がきっかけでした。
上司「あぁ海老天はいつ食べても、何度食べても旨いよなぁ。海老天だけお腹いっぱい食べていたいよなぁ」。この発言を叶えるために当商品を開発しました。もちろん、上司に媚を売るために作った商品ではありません。
この様な背徳感にも似たワガママな気持ちが誰にでもあり、「自分にご褒美」「自分にワガママ」というニーズに応える弁当があったら、喜んでいただけるのではないだろうかと考えたからです。
値ごろも考慮し、海老天重と天むすのハイブリッドをイメージ。海老天とご飯のセットをいくつも一口で食べられたら、女性でもファンになってくれるのではないかと考えました。海老はバナメイエビの大き目のサイズを採用し、一口で食べられるようにあえて伸ばさず、フリッターのように丸い天ぷらにしました。
海老の上には青のりを散らし、食欲をさらにそそります。ご飯は、白ごまとタレを二層にし、大葉を敷き、最後に刻み海苔をたっぷりと散らしました。そうです「コレ絶対にウマいやつ」です。そして、肝心なのがタレです。専門店等を食べ歩いた結果、ごま油の風味をしっかりと残し、かつ重くならないタレを使用することで、全てが一つになります。
今後は、「外食メニューをスーパーの惣菜にした」というものではなく、スーパー独自の進化をさせた外食メニューの開発などにもチャレンジしたいです。
二種海苔と胡麻が香る一口海老天重
株式会社マミーマート
TOP!事業部 惣菜部 バイヤー
北原 崇史
ローマイヤは2021年に創業100周年を迎えたハム・ソーセージメーカーで、ローストビーフにおいては、日本国内でトップクラスのシェアを誇っています。
現在、松屋銀座店等において、ローマイヤブランドの専門店を展開しています。「黒毛和牛のカルビローストビーフビビンバ丼」は、コロナ禍で中食ニーズが高まる中、また、ローストビーフの売上が落ちる暑い季節に、単品ではなく米飯商品として提供し、ローマイヤ商品のおいしさを知っていただくために提案しました。
通常、ローストビーフではもも肉を使用するのが一般的ですが、今回はあえて、国産黒毛和牛のカルビ(バラ肉)を採用しました。カルビはもも肉に比べて霜降り(サシ) が多く、和牛本来の脂のコクと甘み、旨みが味わえます。
この自慢のローストビーフを店舗で原木から手切りし、約50g(約4枚)をのせました。また、サシの入ったローストビーフをサッパリと食べられるように、ビビンバに仕立てました。タレは、通常ローストビーフに使用するソースではなく、本醸造醤油とたまり醤油にごま油やりんご果汁酢などを加えた化学調味料不使用の焼肉風タレを使用しています。
容器にもこだわり、セパレート容器を採用しました。ご飯のみをレンジアップし、アツアツのご飯の上にサシの入ったローストビーフをのせることで、脂が溶けてやわらかくなり、和牛の旨みを堪能できます。今後は、インバウンド客にも人気になるような銘柄牛を使用した商品なども開発してみたいです。
黒毛和牛のカルビローストビーフビビンバ丼
スターゼン株式会社
営業本部 営業統括部 ローマイヤ営業部
売店・催事・運営チーム
上甲 菜摘
「飛び出し注意!麻薬たまごの危険なおにぎり」は、石でもなく、爆弾でもなく、歴としたおにぎりです。しかも、ただのおにぎりではなく、中毒性のあるおいしさと、食べ方に気を付けないと惨事が起こってしまう恐れのあるおにぎりです。
開発のきっかけはSNSでした。SNSで甘辛いタレに香味野菜と半熟たまごを入れ、一晩漬け込んだ韓国版味付きたまご「麻薬卵」(麻薬:中毒性のあるおいしさの意) が話題となり、早速作って販売したところ大人気となりました。
なお、卵は漬タレに負けない濃厚な黄身の福岡県朝倉にある 「ヒラノのタマゴ」のブランド卵「輝黄卵」を採用しました。この麻薬卵を、大分県産ひのひかり使用のご飯に、刻み沢庵や飛び子、 刻み韓国海苔、伯方の塩を混ぜ込んだご飯で包み込み、有明産海苔1枚で包みました。当商品で最も苦労したのは、半熟たまごの茹で時間です。
鍋で5分数十秒茹でるのですが、ちょうどよい半熟たまごを作るのに1秒単位で実験を繰り返しました。商品名の“危険なおにぎり”とは、試食をした方がかぶりついた時に、中の麻薬卵が破裂し服を汚してしまった例が何度かあったからです。そのような惨事にも関わらず、大変うれしそうに試食してくださいました。
私の開発方法は、その時思いついたものを、まずはすぐに作ってみることです。すぐに作ってみることで、課題や新たな発見が得られ、そこにサプライズも加えることで、お客さまにより楽しんでいただける商品ができると信じています。
飛び出し注意! 麻薬たまごの危険なおにぎり
株式会社ダイキョープラザ
惣菜部 部長
梶原 正子
「おむすび膳七」は、米の栽培から加工、流通までをコーディネートする株式会社オクモトが展開するおむすび専門店です。今回受賞した「しみしみ揚げ茄子とちりめん山椒のおむすび」は、6月の季節限定おむすびとして、旬やおいしさ、見た目、ご馳走感などをキーワードとして開発しました。
また、ちりめん山椒を使用した商品は膳七にはなく、以前から品揃えしたいとも考えていました。おむすびのメイン具材である淡路島産ちりめん山椒を最初はご飯と混ぜて使用しましたが、上手く握れませんでした。そこで、中具として使用したのですが、今度は地味なおむすびとなってしまいました。試行錯誤の上、季節野菜の揚げ茄子に当社オリジナルの天つゆを染み込ませWメイン具材とすることで、ご馳走感がアップしました。
さらに、インパクトを出すため、おむすびの上にもちりめん山椒と茄子をトッピングし、中具を贅沢に2度楽しめるようにしました。季節限定1ヶ月の販売でしたが、月初から売れ行き好調で、平日には1日50個、休日では100個以上を販売し、定番に次ぐ第3位の売上になりました。
当商品は決して生産性が良いおむすびとはいえませんが、今後も作業効率や生産性だけを追い求めるのではなく、お客さまが「おいしかった、また食べたい」と笑顔になるようなおむすびを開発していきたいです。また、2月にはキッチンスタジオも完成し、おむすびの魅力をさらに伝えていきたいです。
しみしみ揚げ茄子とちりめん山椒のおむすび
株式会社オクモト
膳七事業部 管理栄養士
村上 有規子
「ジュレ仕立ての洋風お肉ちらし」は、父の日向けに開発した商品です。父の日のお寿司のお買場の定番といえば上質にぎり寿司です。一方、近年は鮮魚寿司だけでなくバラエティに富んだ商品が人気となっており、多くのスーパーマーケットにおいて肉寿司などが人気となっています。しかし、当社のお寿司のお買場には肉寿司はなく、是非チャレンジしたいと思っていました。
肉寿司を開発するにあたり、食べた終わった時の満足感と同時に満腹感も感じて欲しいと考えました。そこで、ローストポークを1食分160g使用し満腹感を得られるようにしました。
ローストポークは、厳選された豚肉のロースを使用し、焼き加減にもこだわり、ジューシーで炭火感も感じられる本格的な商品です。このローストポークを店内で15mm角のダイス状に手切りして使用します。店舗で手切りにすることで、やわらかさや肉汁感が各段にアップします。
ローストポークにはイタリアンドレッシング風のジュレやピンクペッパーをかけ、さっぱりと食べられるよう仕上げました。ご飯は酢飯を使用することで、ローストポークの甘みをより一層引き立たせます。
当社デリカグループでは、お客さまにデリカ商品を食べて喜んでいただき、「次はクイーンズの素材で料理を作ろう!」「クイーンズの素材がいい!」と、素材から惣菜、惣菜から素材へと、クイーンズファンを増やしていきたいです。
ジュレ仕立ての洋風お肉ちらし
株式会社エムアイフードスタイル
商品統括本部 商品部
デリカグループメニュー開発担当 バイヤー
小川 純
西鉄ストアでは、スーパーマーケット事業だけではなく、フード事業部としてレストラン事業等も手掛けております。その中のうどん業態「博多やりうどん」は、博多空港内店舗をはじめ計3店舗で展開中です。
博多うどんのお供としては、「かしわにぎり」や「いなり」への支持が高く、それらに続く商品は中々出てきませんでした。そこで、鯖寿司消費量日本一の博多ならではの店舗でも、テイクアウトでも食べていただける鯖を使用したメニューを開発しました。福岡では、鮮度の良い鯖が手に入るため、生の鯖が親しまれています。生鯖以外には郷土料理の「ごまさば」や「〆鯖寿司」等も人気です。
専門店調査や鯖加工メーカー商品を20種類以上食べましたが、どれも既存商品ばかりで新しい商品はありませんでした。そのような中、鯖の薫製があることを知りメーカーさんと交渉しました。鯖の燻製は、脂ののった真鯖を一塩し、その後、国産桜チップを使用した低温スモークで約4時間燻します。スモーク後は、鯖の旨みが凝縮され、身は生の食感を残し生ハムのような状態となります。
この燻鯖フィレを店内炊飯した酢飯にのせて押し寿司にして提供しています。お店のお客さまを中心にテイクアウトが浸透してきたため、今後は販路をさらに拡大し、様々なシーンで燻鯖寿司を提供していきたいです。
開発面では、フード事業部の各業態の良いとこ取りの米飯商品など、当社にしかできない商品の開発も進めていきます。
燻鯖寿司
株式会社西鉄ストア
商品本部 商品開発部 課長代理
徳廣 秀一
ユニバースのデリカ部門では「鮮度・品質・色・艶・照り・味」を合言葉に商品開発に取り組んでおり、目指すは、“近くて安いデパ地下”です。「青森うまいもの三昧ピザ」は地元青森県のこだわり名産品を使用し、食べたお客さまが青森県を味わえるピザをテーマとしました。
また、1枚のピザに“食事・おつまみ・デザート”のトッピングテーマを加え、1ホールを家族みんなで、お父さんも、お子さまも一緒に食べられるシーンを想像して開発しました。
青森のホタテを使用した食事ピザは、ピザ生地にピザソースと明太ホタテマヨソースを塗り、陸奥湾産のホタテをトッピング。八戸の塩辛を使用したおつまみピザは、地元で昔から愛されているハチミツ入りのほのかに甘い塩辛とオリーブ、そして自家製ポテトサラダを組み合わせました。弘前のりんごを使用したデザートピザは、ピザ生地にカスタードクリームを塗り、上品な甘みと酸味の津軽りんご「ふじ」のコンポートをトッピングしました。ピザ生地には青森県産「青天の霹靂」の米粉を配合し、よりモチモチ食感となっています。
そして、各ピザを青森をイメージした配置とし、容器の蓋には青森県と三都市を表すシールを貼りました。青森県は食材の宝庫ですので、今後はさらに地のものを使用したメニュー、そして、それらをさらにおいしく、楽しく、親しみやすいメニューとして提供していきたいです。
青森うまいもの三昧ピザ
株式会社ユニバース
商品本部 第一商品部デリカ部門 部門長
本間 康之
TOUBEIは、“見た目に美味しい”“食べて美味しい”をテーマに、幅広い年代に魚食文化を気軽に楽しんでいただけるように開発された、水産加工会社「味の浜藤」の新業態です。TOUBEIでは、30~40代の女性をメインターゲットに、保存料や化学調味料不使用の商品を提供しています。
今回受賞した「サーモンカツサンド」は、おいしくて、SNSでも話題になるような商品を目指して開発しました。サンドイッチ商品の中でも、サーモンを主役にしたものはあまり見かけません。サーモンを使用した商品は味もさることながら、その色の鮮やかさがとても重要です。原料の鮮度が良くないと鮮やかなサーモンピンクにはならず、かわいさや味も半減してしまいます。そのため、解凍方法や加熱温度の調整に大変苦労しました。
また、この脂ののった味の濃いサーモンのおいしさを引き立てるタルタルソースの仕入先選定にも大変苦労しました。甘すぎず酸っぱすぎず、玉ねぎをアクセントに、隠し味にあおさが入ったものを選びました。
パンにはしっとりとした低温熟成製法パンを採用し、挟む面に洋からしマヨネーズを塗ることで味が引き締まり、よりサーモンのおいしさを引き立てることができます。
最優秀賞をいただきましたが、改良の余地はまだあります。今よりもっとおいしいサーモンカツサンドに磨き上げていきたいです。また、新たなサンドイッチ商品や銀鱈、鯖、鰆等の原料でのメニューも開発し、魚のおいしさをさらに伝えていきたいです。
サーモンカツサンド
味の浜藤株式会社
販売推進部
課長 坂口 陽介(左)
松戸 紫穂(右)
紀ノ國屋の「カスタードプリン」は、1978年に誕生し、数十年続くロングヒット商品です。シャルキュトリー (豚肉加工品) 部門の修行のため、フランスへ出かけた職人が、リヨンのマルシェで食べたプリンに魅せられたのが誕生のきっかけです。
フランスMOF(国家最優秀職人章) シェフから伝授されたレシピは、今も当社で引き継がれ、守り続けられています。カスタードプリンは、原料の鮮度にこだわっております。常に鮮度の良い素材を使用し、その素材の良さを引き出すことを心がけています。
シンプルな商品であるからこそ、原料の鮮度にこだわっており、そして伝統の味を守り続けるために日々原料のこだわりとレシピを守り続けています。紀ノ國屋 カスタードプリンのもう一つの特長はカラメルソースです。当社のカラメルソースは、他のプリンと比べると苦みが強く、プリンと一緒に食べた時の相性、後味の良さに特長があります。食後のデザートとしてとっておきのプリンです。数年前にガス窯をスチームコンベクションオーブンに変更したことで、これまでの表面の硬めのプリンから、しっとりなめらかなプリンとなりさらにお客さまの支持が高まっています。お客さまの要望が多様化する中、今後も変わらない紀ノ國屋の良さを提供し続けていきたいです。
カスタードプリン
株式会社紀ノ國屋
製造本部 製造部 課長
室井 祐也
コロナ禍で内食需要が高まり、家庭では特にアジアンメニューの人気が高まりました。そのような中、夏の暑い時期に、本格的かつ印象に残るメニューの開発に取り組みました。当社では精肉惣菜を提供する「グリルキッチン」があり、精肉売場で季節感を演出できることは強みといえます。私の商品作りは一品入魂の精神で、メーカーや問屋さんからの提案ではなく、お客さまに食べていただきたい商品を開発するためにメーカーや問屋さんに協力していただいています。当たり前のことですが、このことを疎かにすると、どこにでもある一品になってしまいます。グリーンカレーのルーは、本場タイで製造され、こぶみかんの皮やガランガル、ホーリーバジル、シュリンプペーストなどを使用した本格的なものを採用しました。肉は鶏もも肉を使用したいところでしたが、原料価格が上昇する中、値頃も意識し、もも肉よりも安く、むね肉よりもジューシーなかた肉を採用しました。かた肉には野菜出汁で下味をつけることで、肉の味を損なうことなく、ルーとの一体感が生まれ、加熱後もよりジューシーに仕上がります。また、具材には、青果部門で店内カットしてもらった生しめじをはじめ、パプリカや茄子、ズッキーニなど5種類を入れました。私は旅行が趣味で47都道府県を制覇しており、地場の味もたくさん経験しました。それらの経験と一品入魂の精神で商品開発に取り組み、今後は、もつ煮や土手煮などの開発にチャレンジしてみたいです。
鶏かた肉と5種野菜の本格グリーンカレー
サミット株式会社
精肉部 バイヤー
西内 嘉男