部門別選択
2018年度は、スズキヤの会社方針として「お弁当・お惣菜大賞2020」最優秀賞を目指し、各店舗・各バイヤーが取り組みました。当社の惣菜は「安心・安全・おいしい」をモットーとし、“スズキヤにしかない”美味しい商品を提供することです。
今回受賞した「スズキヤ自家製煮豚カツ丼」のメイン具材の「自家製おつまみ煮豚」は、豚の肩ロースを醤油ベースに味噌や生姜などを加えた調味液で2時間じっくりと煮込んだ商品で、毎日自社プロセスセンターにて製造しています。また、地元のふるさと納税返礼品として、県外の方々からも支持されている商品です。この人気定番商品である煮豚を「もっと多くの方々に知ってもらいたい」という想いから商品開発に至りました。商品開発は「あったら面白いよね!」という発想から始まりました。カツ丼の他、「のり巻き」や「おにぎり」、「煮豚重」なども開発し、「たこ焼風!?肉巻きおにぎり」は入選を果たしました。
「煮豚をカツにしよう!」というあっと驚く発想は、女性の肉メニューに対するマイナスイメージから生まれました。「カツ丼などを食べたいけど、食べているイメージが可愛くない」「カロリーが気になる」などの意見は以前からありました。それらを少しでも解消するため、「脂身が少なくヘルシー」「女性にも食べやすいもの」「ガッツリ系のイメージを抑える」などのキーワードをクリアできる煮豚なら“カツ”としても支持が得られるのではと考えました。
調理では、煮豚自体がやわらかく美味しいことから、衣のみを揚げるよう工夫したことで、煮豚の特長はそのままにカツに仕上げることができました。煮豚自体も大変美味しいのですが、実はパン粉にも美味しさの秘密があります。パン粉は、自社工場製の「葉山ブレッド」と「ホテルブレッド」を店舗で包丁を使い刻んで使用しています。パン粉というよりもクルトンやあられに近い大きさです。この大きいパン粉に特製味噌だれが染み込むことで、面白い食感になりました。卵とじにしなかったのは、煮豚の味をしっかりと味わって欲しいからです。
ご飯には岩手県産契約栽培米を使用し、パプリカやアスパラ、レンコン、茄子などの素揚げを添え、見た目の彩りでも女性が手に取りやすくしました。
今後の商品開発としては、プロセスセンターでのオリジナル商品の開発に注力したいです。また、体にも良いアカモクを使用した商品など、スズキヤでしか作れない商品を開発していきたいと考えています。
スズキヤ自家製煮豚カツ丼
株式会社 スズキヤ
商品部チーフバイヤー(デリカ担当)
木内 美紀(左)
いかりスーパーのこだわりの加工食品や和惣菜や米飯等を製造する有楽調理食品では、厳選した最高の原材料を使用し、見た目に美しく・食べて美味しく・体に優しく・また食べたいと思って頂ける商品、価格以上の価値ある商品の提供を目指しています。
京都では祇園祭の暑い時季に、長いものを食べると勢がつくとして鰻同様に鱧を食べる風習があります。鱧はスーパー等でも骨切り・湯引きされたものが販売され一般家庭でも食されますが、現在は高級食材となり決して安くはありません。その高級食材である鱧の中でも国産天然原料を使用し、家庭でもリーズナブルに召し上がって頂くために開発した商品が「国産鱧の山椒蒲焼重」です。
鱧料理を提供するにあたり、京都の料亭をはじめ、専門店や外食店等を研究しました。高級な鱧の価値をさらに高めて提供するため、当社独自の鱧料理の開発を決定。鱧は単品料理としても十分に価値は訴求できますが、お弁当にすることで豪華さが増し、より満足して頂ける商品になると考え、“日本一美味しい鱧弁当”の開発をスタートしました。
当社の最大のこだわりは原材料です。最高の原材料を仕入れるため、長年独自のルート開拓と信頼関係の構築に努めています。今回使用する鱧は、瀬戸内から四国、小豆島にかけて獲れた肉厚で脂ののった天然ものです。その鱧を開き、骨切りと軽く湯引きし、皮目をバーナーで炙ったものを蒲焼きにします。蒲焼きにすることで身がフワッとし、自家製ダレで香ばしく焼き上げることで、鱧の魅力とご飯のおかずとしての満足感をさらに高めることができました。自家製ダレは、醤油ベースに鱧の背骨を焼いたものを加え、甘めでより味わい深く仕上げています。この鱧の蒲焼きを贅沢に10切れのせ、蒲焼きには兵庫県但馬産の上質な実山椒煮と山椒粉、木の芽を添え、爽やかに召し上がって頂けます。
御飯は北海道産米をメインとしたブレンド米です。御飯にも自家製ダレを混ぜ込み、鱧と合わせて後を引く満足感を提供します。
付け合わせは、徳島県産や山口県産の蓮根のきんぴら、鳴門金時芋のレモン煮、北海道産わらびの煮浸し、甘めの玉子焼き、岩だこの煮付けなど、多くの具材に国産原料を使用し、全て丁寧な仕事をした自家製和惣菜です。
現在、身体に優しく美味しい“精進料理”のような弁当の開発に取り組んでいます。味と見た目にこだわった特色のある商品を提供していきたいです。
国産鱧の山椒蒲焼重
有楽調理食品 株式会社
製造管理課
藤原 理江(左)
水産加工会社である味の浜藤は“魚を美味しく”をモットーに、魚を使用した弁当やお惣菜等を製造・販売しています。また、化学調味料・合成着色料・合成保存料不使用を心掛け、素材の一つ一つを大切にした商品作りを実施しています。
味の浜藤は約20年前より弁当作りを始め、約10年前より当社社長が山形屋海苔店さんやにんべんさんの社長様との交流の中で、各社の強みを活かした弁当を当社で開発することになりました。使用原料にとことんこだわり、山形屋海苔店さんの海苔とにんべんさんの鰹節で作った海苔弁当に、当社自慢の魚惣菜で付加価値を加えた商品が完成しました。それ以来、海苔弁当を提供する競合が多い中、当社では“一番美味しい海苔弁当”を作ることに注力してきました。
現在でも「当社が選んだ魚原料を使用したどこよりも美味しい海苔弁当を提供したい」という想いは強く、原料にこだわり、進化した商品となっています。
ご飯には山形県産つや姫、海苔は老舗山形屋海苔店の旨味と香りが際立つ「青とび焼海苔」、鰹節には老舗にんべんさんの最高級レベルの本枯節を使用しています。付け合わせには、各素材を丁寧に別炊きした甘辛い煮物や玉子焼きなどを入れています。また、付け合わせは四季に合わせて変更し、旬をお届けすることも心掛けています。
当社自慢の紅鮭は、その時季に脂のりが最良で鮮やかな色合いがあるものを主に使用しています。焼成ではスチームコンベクションオーブンを使用し、紅鮭の鮮やかな色合いを落とさないように工夫し、冷めてもしっとりふっくらなるように焼き上げています。是非、蓋を開けた瞬間の磯の香りの感動とこだわりの原料で作った美味しさを堪能して下さい。
今後は、見た目の華やかな商品や、健康に配慮した減塩しても美味しい魚原料使用商品、野菜と魚を合わせた女性向けのメニューなど、自慢の魚原料を活かした新たな商品開発もしてみたいです。
我々はこれまで、外部機関の評価を受けたことはありませんでした。今回このような評価を頂いたことで、大変な自信に繋がりました。また、審査員の先生方の率直な意見をもとに、さらに美味しく喜んでいただける商品に進化させていきたいです。
おいしい海苔弁当
味の浜藤 株式会社
営業本部 商品部
塩田 真梨子(左)
西鉄ストアの惣菜は、安全・安心であることはもちろん、素材にこだわった商品開発を行っています。商品となった時の味は、素材に大きく影響されます。良い原料に手間を加えることで、味付けでは出せない本来の美味しさを表現できると考えています。また、原料はできるだけ国産原料を使用するように心掛けています。当社人気商品の鶏唐揚げの原料では、タイ産やブラジル産の原料商品よりも国産原料商品への支持が高く。お客様からは「美味しい」という声の他、「国産原料だから安心」という声も多くあり、差別化となっています。
「乳を使わないクリーム風コロッケ」は“アレルギー対応商品”として開発しました。元々アレルギーフリー商品の開発には着目していましたが、「乳アレルギーがあってクリームコロッケが食べられない」というお客様の声で本格的に開発に取り組みました。
乳の代わりに使用したのは“豆乳”です。豆乳は独特の風味があり嫌厭する方も多くいますが、大豆原料によりその風味が異なることが分かりました。当社地元の朝倉郡筑前町では高品質な大豆を生産しており、主に豆腐原料として人気の「フクユタカ大豆」で作った豆乳は臭みも少なく、甘みや旨味もあります。豆乳で作ったクリームは、既存のクリームコロッケのクリームと比べても遜色ない舌触りで、大変クリーミーに仕上がりました。
通常具材は海鮮系を使用することが多いですが、当商品では国産鶏肉を採用。鶏肉は唐揚げ原料としても使用されている「幸彩鶏」です。「幸彩鶏」は別名「骨太有明鶏」とも呼ばれ、餌には牡蠣殻なども加えられ、飼育過程で抗生物質を使用しない安全・安心の原料です。その他、えのきや玉ねぎ、鶏肉をクリームと炊き込み、旨味とコクを増大。乳を使用したクリームコロッケに比べ、旨味やコクはありながらも、あっさりとしているのが当商品の特長です。また、甲殻類を使用しないことでアレルゲンの特定原材料7品目であるエビ・カニの不使用商品としても成立しました。
なお、クリームは学校給食のコロッケなども手掛け、コンタミ対策を十分に実施している協力工場で製造されており、同工場で製造されるバッター液には卵も使用されていません。
今後もアレルギーフリー商品の開発を進め、目指すは特定原材料7品目のアレルゲンフリー商品のシリーズ化です。また、“地産地消+アレルゲンフリー”など、さらに付加価値を付けた商品の開発にも取り組んでいきたいです。
乳を使わないクリーム風コロッケ
株式会社 西鉄ストア
第一商品部 惣菜バイヤー
堤 和彦(右)
サミットでは会社を挙げての、部門横断政策「大総菜プロジェクト」に取組んでいます。これは、各部門の強みを生かした即食商品を店内加工で提供する他、原料の仕入れの共有化、部門間での加工補助など、商品の魅力を向上させ、お客様の多様なニーズに応えられる商品・売場作りの実施を目的としています。
その取り組みの一つとして、私たち青果部門では「フレッシュサラダ&カットフルーツコーナー」を一部店舗で設けています。近年、健康志向の高まりもあり、「毎日しっかりと野菜を食べたい」という思いを持ったお客様も多くなりました。同コーナーでは、サミットで販売している素材を使用し、店内手作り・当日完売のサラダを販売しています。また、サミットが店舗展開しているエリアは、オフィスワーカーや、単身生活者も多く、いため、ランチ時など野菜を気軽に食べて頂けるよう総菜部門のお弁当と併せて買える手頃な価格も意識しています。
今回受賞した「3種のきのこのサラダ」は、季節毎に旬の素材を使用して開発したサラダのうちの一品です。きのこは旨みと香りを考えてマッシュルーム(白・茶)・舞茸・ぶなしめじを採用しました。油との相性が良いため、素揚げしてよりコクを出し、食べやすくしています。きのこの茶色だけだと彩りに欠けるため、刻んだパプリカ、紫玉ねぎのスライスをトッピングし、香りづけでブラックペッパーを振りかけました。
様々なサラダを開発する中で、「シンプルさ」を大切にするようになりました。あれもこれもと凝り過ぎると、結果的に価格が高くなったり、工程数が増えるなどしてしまうためです。何より、野菜の美味しさをダイレクトに味わえるサラダの方が毎日続けて食べて頂けるのではないかと考えています。
今後は、ハレの日にあわせた商品も開発してみたいです。大切な日に「サミットでサラダを買おう」と思って頂けるような彩りと美味しさの商品をご提供できるよう、今後も開発に励みます。
3種のきのこのサラダ
サミット 株式会社
青果部 バイヤー
喜多村 真衣
中部フーズ㈱は、東海エリアを中心にスーパーマーケットを展開するバローグループ全店の惣菜部門を運営し、商品の企画から製造、販売までを一貫して実施している企業です。お客様の安全・安心・健康を第一ととらえ、清潔な工場・清潔な厨房・きれいな売場・笑顔の接客をもって美味しい・お値打ち感のある「おかず」を提供することを使命として取り組んでいます。また、これを基に「名物商品になり得る商品」「工場で単品大量生産できる商品」「適正価格」「売れるためのプラスの価値観」という観点で製品開発に取り組んでいます。さらに、サラダ原料に関しては産直・国産にこだわっており、淡路島産玉ねぎをはじめ、キャベツや大根、グリーンリーフ、サニーレタス、ロメインレタスなどは産直原料を使用しています。
開発のきっかけは「お弁当・お惣菜大賞2018」です。当社おにぎりも最優秀賞を受賞しましたが、サラダ部門受賞商品の見た目の素晴らしさに刺激を受けました。とにかく見た目を重視したサラダで、美しく、手間をかけた感が伝わる価値ある商品を目指しました。また、当社商品はライン製造品がメインであるため、手間をかけた独創的な製品開発は中々できませんでした。今回の受賞商品は、2018年から展開を開始したデリカ専門店「デリカキッチン」3店舗で主に販売している商品であり、小ロット・手作業で面白味のある商品開発にチャレンジしました。
原材料は極めてシンプルですが、前述のように大根やレタス、ロメインレタスは産直原料を使用し、自社でスライスします。レタスとロメインレタスは、スライサーを使用するとバラバラになってしまうため、サイズを揃えて包丁で手切りしています。一番の肝である盛り付けは、容器の底に蒸し鶏を敷き、6種の野菜を順に層状に重ねていきます。各野菜の重量を計りつつ、各層が水平になるように側面から確認しながら手作業で製造しています。また、層の順番や厚みなどは試行錯誤し、美味しさと美しさを両立した構成となっています。
開発での良かった点としては、手作りサラダをきっかけにこれまでのライン製造には無いコミュニケーションが生まれており、作業に関するアイディアなどが頻繁に出てくるようになりました。
今後は“一食完結型”の“パワーサラダ”にもチャレンジしてみたいです。また、葉物サラダは低価格になりがちですが、しっかりと感動して価値を感じて頂ける商品を提供していきたいです。
国産蒸し鶏のサラダミルフィーユ
中部フーズ 株式会社
デリカ商品開発部 製品課
開発第2グループ
松野平 貴司
ダイキョープラザの惣菜は、可能な限り原料から手作りすることで、家庭料理に近い味の提供と共に、安心・安全を感じていただけるよう心掛けてきました。また、当社は個店主義をとっているため、定番商品のみならず、各店舗が独自に開発した商品をそれぞれの強みとしてお客様に提供しております。
今回受賞した「ニンニク薰る五島つばき油めん」の開発コンセプトですが、お店のある五島(長崎県五島市)の名産で幻のうどんともいわれている「五島うどん」、また、それと同じく名産の「椿油」、この2大名産品を使用し、地元の方には「初めてだけどどこか懐かしい」と感じてもらえるような商品となるよう試行錯誤してきました。
開発期間中、焼そば専門店を食べ歩いたり、職場仲間からの情報収集を続ける中で、ひとつ大きな事に気がつきました。それは、味付けがどれもソースや醤油風味ばかりで、味噌を使った味付けにほとんど馴染みがないということでした。そこで、私が約10年ほど前に開発した商品で、お客様からも長く支持されている「にんにく味噌」を使用することを思いつきました。
五島うどんは、乾麺なので下茹でしてから使用します。コシが強く伸びにくいのが特長で焼きうどんにも適していると以前から思っていました。また鉄板で焼く際には、オレイン酸を多く含んだ椿油を回し掛けながら麺をほぐすと共に香りを立たせていきます。
具材には、イカ、キャベツ、玉ねぎ、椎茸、人参、はんぺんなど、できるだけ地元で採れた素材を多く使用しました。
味付けは、前述した「にんにく味噌」をメインに使用しています。焼けた五島うどんに、このにんにく味噌の味と香りがしっかりと馴染んできたら、仕上げに五島産の地玉子を使った目玉焼きをのせ、香りのアクセントに花鰹を振りかけて完成です。
ちなみに、この「にんにく味噌」は、甘めの味付けしておりますので、そのままご飯のお供として購入される方や、炒め物など調味料として使用される方、また肉の下味などとしても利用される方もおり、福江店では1日30個ほど出るロングヒット商品となっています。
毎年、夏季限定で販売している「サラダ五島うどん」も大変好評ですので、今後は、生野菜を使ったご飯のおかずとして成り立つサラダなどの開発も面白いかと思っています。お店での自由度を今後も活かしながら、惣菜売場から地元とお店を元気にしていきたいと思っています。
ニンニク薫る五島つばき油めん
株式会社 ダイキョープラザ
ダイキョーバリュー福江店
惣菜部次長 田中 ルリ子
DAY・NITE三田店周辺はオフィス・学生街であり、外食店や弁当店、コンビニエンスストアなどが乱立し、特にランチマーケットは激戦区となっています。近年ではコンビニエンスストアも増え、ランチを400円台、300円台で済ませる方も増えてきました。そのような環境下で、当店ではワンコイン(500円)でサラリーマンに他店よりもいかに付加価値を感じていただける弁当メニューを提供できるかが勝負だと考えています。また、お客様から「デイ・ナイトに行けば、何かきっとある」と期待される店、「やっぱりデイ・ナイトにして良かった」と信頼される店になることを常に考えてメニュー開発に取り組んでいます。
「涼夏 冷しカレー平打ちまぜ麺」は8月の猛暑の中での提供弁当メニューです。食欲が落ちがちな猛暑の中でもスパイシーで涼やかな食べやすい麺類で、“美味しく食べて元気に”をコンセプトに開発しました。私の中では、“銭湯上がりに飲むりんごジュース”をイメージして開発しました。ちなみに、りんごジュースは透明な方です。伝わりますか?
当商品の最大のこだわりは本格カレー醤(ジャン)です。マレーシアが発祥とされ、魚や海老の塩辛・生姜・にんにく、葱などから作った発酵調味料“沙茶醤(サーチャージャン)”にカレー粉等の香辛料や調味料を加えて、深みのある本格的な醤を作りました。
麺は、時間が経ってもコシがあり、タレに良く絡む平打ち冷凍麺を採用。具材は、豚ひき肉と高菜をカキ油で炒めたものの他、彩りの良い夏野菜をたっぷり使用しています。今回、メインターゲットはサラリーマンですが、OLの方々にも是非召し上がっていただきたいので、美味しさやコスパ以外に彩りやインスタ映えを重視しました。赤・青(緑)・黄・白・黒の五色を基本に、トマト・オクラ・南瓜・温泉卵と粉チーズ・茄子と、鮮やかに仕上げました。上にのせた白い温玉は、割った瞬間に鮮やかな黄色が広がり、彩りが一層と映えるのと同時に、チーズと合わさり味をまろやかにし、深みを出してくれます。結果は、予想以上に女性のお客様から支持の高い一品となりました。
今後は、1食で野菜やタンパク質などがしっかりと摂れる“パワーサラダ”に取り組んでみたいです。特に、パリパリの揚げ麺を使用したサラダメニューが面白そうです。
涼夏 冷やしカレー平打ちまぜ麺
デイ・ナイト 株式会社
DAY・NITE三田店
料理長 印田 努
コープデリ連合会の店舗事業目標は、“おいしさと安心を、うれしい価格で。”です。その事業目標をベースに、店舗デリカ商品部では「産地」「健康」「だんらん」をテーマに商品開発に取り組んでいます。今回受賞した「大粒ほたてとつぶ貝の北海道づくし重」は、産地として北海道の食材にこだわり、“普通では手に入れることが出来ないだんらんのごちそう”をコンセプトに開発しました。
開発の背景には、うなぎ商戦への不安がありました。資源が減少し魚価が高騰するうなぎを使用した惣菜商品は、値頃感のある商品の販売が難しくなってきています。また、資源保護の観点での世論もあり、惣菜部門でのうなぎ商戦の伸長は厳しくなっています。今後予想されるビハインドカバーと、ごちそう品としてのうなぎに代わる新たなカテゴリーや商品開発は重要な課題といえます。
北海道産海産物等もうなぎほどではありませんが、漁獲量が減少し価格が上昇し続けており、使用するのは難しくなりつつあります。しかし、だからこそ価値があるとも言えます。物産展などで扱われる大きな2Lサイズのボイルホタテを思い切って採用し、お客様に驚きと感動を与えられると信じて開発しました。そのボイルホタテをふっくらジューシーにスチーム調理後、軽く照り焼きにし、重のメイン具材にしました。ホタテの他、つぶ貝とますいくらも当商品のごちそうアイテムです。内では “つぶ飯”は人気のメニューです。北海道産つぶ貝を昆布と鰹エキスの調味液に漬けて旨味を引き出しました。ますいくらは出汁醤油で味付けし贅沢に10g使用しました。
肝心のご飯は、ホタテをボイルした際の煮汁を入れた魚介エキス入りの醤油を使用した甘辛いご飯です。魚介エキスを加えて炊き込んでいることで、具材との相性もよく、あとをひく美味しさです。
2Lサイズのホタテにはさらにこだわりがあります。実はオスとメスのホタテを可能な限り対で使用しています。貝柱の周りにピンクの卵がある方がメスで白いものがオスです。それぞれ食感や味わいが微妙に異なり、大味になりがちなホタテですが、その違いを楽しみながら召し上がっていただければ嬉しいです。
今回、うなぎに代わるごちそう品として開発しましたが、これをきっかけに新たなチャレンジをすることができ、壁をひとつ越えられたようにも感じます。また、素材の魅力を活かした商品の開発は、まだまだ可能性があることにも気づきました。
大粒ほたてとつぶ貝の北海道づくし重
コープデリ 生活協同組合連合会
店舗デリカ商品部 惣菜バイヤーグループ
バイヤー 辺田 ちひろ
「D・Nカレー」はワンコイン(500円)のテイクアウト弁当メニューで、大手町のオフィスワーカーに500円でも舌もお腹も満足させられる本格的なメニューの提供を心掛けています。
コンセプトは「安くて、美味しくて、ボリユームがあり、バランス良く、栄養価値がある」ことです。安さについては、初めからサラリーマンの懐事情を考えワンコイン(500円)に設定しています。美味しさは、500円でも職人のプライドにかけて手は抜きません。ボリュームは、総重量1260gと二人前並みの重量です。バランスは、炭水化物・蛋白質・ビタミン等がしっかりと摂れるように考えて設計しました。美味しいものを食べ、しっかりと栄養を付ければ、自ずと元気に明るくなり、仕事も頑張れます。
メインのタンドリーチキンとキーマカレーは自信作です。タンドリーチキンは、鶏もも肉をヨーグルトやレモン、香辛料、ケチャップなどが入った調味液に一晩漬け込み、臭みをとりつつ柔らかく味を染み込ませたものをオーブンで焼きます。鶏肉は安くて高たんぱく、低カロリーで汎用性も高い素材です。
キーマカレーは、玉ねぎと挽き肉をまず炒めるのですが、一番大事なのは玉ねぎです。玉ねぎは黒くなるまでフライパンでじっくりと炒め、甘味とコクを出します。鶏挽き肉は、一度油通しをして余分な油と臭みを抜き、フライパンで低温で2時間ほど炒めます。そこに、根セロリやズッキーニなどの西洋野菜やスパイスも加えて炒めます。スパイスは、ガラムマサラやコンソメ、カイエンペッパー、ヨーロピアンスパイス、クミン、ハチミツなど、約15種類を独自配合。一度に60食分を作るため、コンロ4台を同時に使用して調理しています。そして、ライスはもちろんターメリックライスです。
彩りに関しては、緑黄色野菜をしっかりとトッピングした他、最後に金糸卵を散らし鮮やかに彩りました。
今後は牛肉を使用したビーフカレーやハヤシライスなどにもチャレンジしたいです。原価率の問題もありますが、全体で出すメニューとのバランスを考えて実施してみたいです。
私は昭和19年生まれの74歳です。50年以上中華料理に携わり、今は和洋中どのメニューも勉強し作れるようになりました。この歳になってもこだわった料理を作り、お客さまに喜んで頂けることが一番の生き甲斐です。まだまだ、料理を作り続けたいと思います。
D・Nカレー
デイ・ナイト 株式会社
DAY・NITE大手町店
冨田 五十一
サンプラザでの惣菜商品開発は、地元食材の使用を始め、地元メーカーとの取り組みなど、地元の活性化を意識した地元愛溢れる商品開発を心掛けています。今回受賞した「土佐の結び」は、2017年から開始している「地域密着プロジェクト」の一環として、地元の高知商業高校と共同開発した商品です。また、2017年の共同開発商品の「四万十鶏のゆずから」は「第9回土佐の食1グランプリ」において1位を獲得しました。今回の共同開発では、まず生徒さん達に自由に作りたいメニューを提案してもらい、「四万十鶏のゆずから」開発の際の既存商品とのカニバリ課題の解消も踏まえ、“店内製造おむすび”に決定。また、「誰もが気軽に買える価格」「子供からお年寄りまでが食べられる味付け」をコンセプトとして開発をスタートしました。商品名の「土佐の結び」は、米と米を結ぶことで一つのおむすびになるように、地元の素材と素材を結ぶ、地域のお客様と高知商業高校とサンプラザを結ぶという意味で、生徒さん達が命名してくれました。また、おむすびの内容においても、地元商品の使用を望む声が多く、できるだけ要望に沿うかたちで具現化することに注力しました。「土佐の結び」は、「鰹むすび」「四万十鶏の焼き結び」「塩むすび」の3種類で構成しました。おむすびの米には、香りの良い四万十町産の仁井田米を採用し、混ぜ込み具材と共にデリカセンターで炊飯・製造しています。「四万十鶏の焼き結び」では、四万十鶏のもも肉をダイスカットし、八方出汁で炊いたものを煮汁と一緒にご飯に混ぜ込みます。型で成形後に甘辛い豚味噌を塗り、国産柚子をのせスチコンで焼成しました。「鰹むすび」では、支持の高い脂ののった久礼産の生かつおをメインに使用し、ダイスカットしたものを高知産生姜と白出汁で炊き上げました。こちらも煮汁と一緒に高知特産のしゃくし菜のみじん切りを加え混ぜ込みます。「塩むすび」の塩には、味わい深い高知県黒潮町の土佐黒潮天日塩「海一粒」を採用しました。どのおむすびの味付けも、素材の味を楽しんでもらい、飽きずに食べて頂けるよう薄味に仕上げてあります。今後の開発商品としては、鰹をはじめ四万十豚やちりめんじゃこ、生姜、柚子などを使用したコロッケ。坂本龍馬をイメージした巻き寿司などを開発していきたいです。
土佐の結び
株式会社 サンプラザ
商品部 惣菜サブトレーナー
大川 貴史
伊達物産は福島県伊達市で昭和32年に創業し、61年から伊達鶏の生産をメインに事業展開しています。伊達鶏は、異なる赤鶏を掛け合わせて誕生した銘柄鶏で、ブロイラーの歯ごたえよりもしっかりし、軍鶏やかしわよりもやわらかくジューシー、旨味の強いことが特長です。また、平飼い72日以上の飼育など、伊達鶏を生産から販売まで一貫して自社で実施することで、安全・安心の商品を提供できます。今回、地元の「まちの駅 やながわ」(伊達市梁川町)内にて、2018年4月より当社が「お食事処 やながわ」を運営することになり、「肉ゴロッとおにぎり」はそこでの提供メニューから生まれました。
当店ではまちの駅として、地元生活者や梁川町を訪れた方々に、“思い出したら食べたくなる味”“記憶に残る味”をコンセプトに伊達鶏を使用したメニューを提供しています。当店の看板メニューには、伊達鶏のもも肉の煮込みをゴロゴロと盛り付けた「ゴロゴロ肉うどん」があります。お客様だけでなくスタッフからも人気が高く、この伊達鶏の煮込み肉を賄い料理としてご飯にのせて食べたところ、大変相性が良く、やみつきの賄メニューとなりました。当店1番人気のうどんの味を気軽にどこでも食べていただきたいとの思いもあり、商品化に向けて開発がスタートしました。伊達鶏は皮を取り除き約40gに手切りし、鯖節の風味を効かせた醤油ベースのつゆで1時間半ほど炊いた後、寝かせて味を染み込ませます。もちろん伊達鶏の旨味をしっかりと引き立てる味付けとなっています。
ご飯は、低農薬農法の会津産コシヒカリとササニシキを独自ブレンドしたものを使用。炊飯方法は特製つゆを合わせるタイミングなどを試行錯誤し、ようやく美味しく炊ける方法にたどり着きました。米を洗米した後に一晩おき、炊飯する際に「ゴロゴロ肉うどん」の特製つゆと合わせて炊くことで、米の食感が一番良い状態に炊き上がりました。
盛りつけは、伊達鶏のゴロゴロ感をより際立たせるため、肉を先にセットし、その上にご飯をのせて優しくにぎります。
今では、毎日買いに足を運んでいただける方もおり、まとめ買いをするお客様もいるほどです。
今後は、伊達鶏の唐揚げを使用したおにぎりなど、おにぎりのシリーズ化や伊達鶏を満喫できる弁当の他、自社加工工場を活かして、炊き立ての「肉ゴロッとおにぎり」の味をご家庭でも楽しめる“炊きこみご飯キット”などの開発にも挑戦してみたいです。
肉ゴロッとおにぎり
伊達物産 株式会社
代表取締役社長 清水 建志
(右上)
サミット総菜は、「家庭の味」「お母さんの味」をイメージし、自然でやさしい味付けで、毎日食べても飽きのこない商品づくりを目指しています。
近年、寿司カテゴリーでは鮮魚部門の鮮魚鮨を提供する同業他社も増えてきており、より鮮度の良く美味しい寿司ネタの開発が課題となっています。一方、総菜寿司における生寿司以外の巻寿司や押し寿司なども強化すべきカテゴリーであり、生寿司以外の寿司カテゴリーで新しい柱を作りたいと考えていました。
サミットの人気イベント「東北フェア」では、支持の高い商品に「鯖寿司」がありますが、私自身1パック食べると飽きを感じていました。そこで、「1パック食べても飽きのこない味」「彩りで秋らしさを演出する」「値頃感がありながら特別感を演出する」の3つをコンセプトに新しい寿司の開発に取り組みました。
販売期間のピークは秋なので、秋といえば秋刀魚です。また、2018年は近年になく漁獲量も多く、脂がのっており、お客様の注目度も高まると考えました。
秋刀魚を使い飽きのこない商品を作るため、百貨店やご当地物産展、寿司専門店などを調査し、寿司の種類や味、見た目などを研究・試作。“秋刀魚蒲焼の押し寿司”と“酢〆秋刀魚炙りの裏巻”の組み合わせが一番相性が良いことが分かりました。
秋刀魚原料は三陸産の原料を採用。三陸は水揚げしてから加工場までの距離が近く、鮮度を落とさずに加工することができます。魚介類を加工して提供する寿司商品にとっては、最も重要なことの1つです。秋刀魚の蒲焼は、うなぎの蒲焼専門の加工メーカさん協力のもと、秋刀魚の味を活かすようタレの量を少なめにしつつ、焼工程を4回繰り返すことで身の奥までタレを染み込ませました。秋刀魚の酢〆では、酢が強すぎると秋刀魚の味が損なわれてしまうため、こちらも酢を弱めにし炙って香ばしさを出しました。また、キュウリとガリを一緒に巻き、最後に白ごまを掛けることで、心地よい食感と後味を演出。押し寿司も裏巻もどちらも酢飯を使用しています。
手間を掛けた押し寿司と裏巻の組み合わせを、木目折箱容器に盛り付けることで、ハレの日のような特別感を演出し、赤い紅葉バランで秋らしさを演出しました。
今後は、三陸産金華さばなどを使用した組み合わせでの価値訴求も面白いと考えています。今後も鮮魚専門店の品質や物産展の商品化レベルに負けない商品を開発・導入していきたいと思います。
秋を味わう2種のさんま箱寿司(炙り・蒲焼)
サミット 株式会社
総菜部 バイヤー
小峰 充功
彩裕フーズは、スーパーマーケットマミーマートの惣菜売場商品の製造・販売を行っている企業です。我々彩裕フーズは、“他社に無いもの、自社にしかできないものを原料から作ること”をモットーに取り組んでいます。原料から製造することで、利益の確保はもちろん、従業員の技術レベルの向上にもなり、オリジナリティーも出せるメリットもあります。また、今では当たり前のキーワードとなった“健康”に関しても細かい配慮や応用を効かせることができます。
現在、彩裕フーズではデザートカテゴリーを強化しており、その中でベーカリーの強化にも取り組んでいます。今回受賞したサンドイッチは、“野菜との美味しい食べ合わせ”をコンセプトに商品開発をしました。当社では、美味しく健康的な商品開発の一環として、より多くの“野菜の摂取”を推進しています。
当商品は、満足感の得られる具材を使用した「ローストビーフバジルポテトサンド」と野菜をメインとした彩り豊かな「5種野菜のサンド」の2種で構成しました。「ローストビーフバジルポテトサンド」では、たっぷりのローストビーフと自家製ポテトサラダを挟みました。ローストビーフは下味が余りついていないものを採用。自家製ポテトサラダは北海道産男爵芋を蒸かし、芋のゴロゴロ感と風味を活かしています。サンドイッチにゴロゴロ感のあるポテトサラダを使用するのは珍しく、さらにバジルソースを混ぜることでローストビーフとの食べ合わせを爽やかにしてくれます。「5種野菜のサンド」では、スライスきゅうり、千切り紫キャベツ、つま人参、スライス玉ねぎ、重ねレタスの5種を挟みました。特にレタスは地元生産者から直接玉で仕入れ、自社で加工することで歩留まりも良く、鮮度の良い状態で提供できます。
パンは自家製のシルクブレッドと全粒粉パンです。カナダ産小麦、フランス産岩塩、自社培養のルバン種を使用し低温熟成製法で発酵した生地を、ふんわりしっとりと焼き上げました。パンには野菜と相性の良い自家製ハニーマスタードをたっぷりと塗ることで、甘さと酸味、コク、爽やかさが演出されます。
サンドイッチは見た目が命の部分もありますので、切り口が一番美しく見える具材の重ね方を試行錯誤しました。
現在強化しているデザートカテゴリーですが全店ベースで浸透しておらず更に開発を進めマミーマートのカテゴリーキラーとなる様に育成、強化していきたいと考えています。
5種野菜とローストビーフバジルポテト
彩裕フーズ 株式会社
デザート商品開発室
室長代行 長澤 裕
セガフレード・ザネッティ・エスプレッソは、エスプレッソをはじめとした本場のイタリアンコーヒーやイタリアンフードを提供するカフェチェーンです。現在はイタリアンコーヒーだけではなく、季節素材を使用した素材本来の美味しさを味わっていただけるイタリアンフードメニュー作りにも注力しています。また、フードもコーヒー同様美味しさを第一に考え、ほとんどの商品を店内手作りしていることも特長です。
「ロゼッタ ブッラータチーズ&ベーコン」は、まだ日本で知名度が低い“ブッラータチーズ”を使用した商品です。ブッラータチーズは、巾着状のモツァレラチーズの中に細かくカットしたモツァレラチーズと生クリームを入れたフレッシュチーズです。また、本場イタリアでは、ブッラータチーズは鮮度が命とされ、賞味期限は48時間と言われています。
日本での評判は、「名前は聞いたことがあるけど、食べたことはない」「食べてみたかったけど、高価なので気軽に買って食べられない」などの声をよく耳にします。日本のレストランでは1つ(約200g)2,000円~3,000円と高価であり、リーズナブルに提供することも商品開発の課題の一つでした。また、チーズの中身が液状のため、具材として調理するのも難しい食材でした。
リーズナブルという課題解決としては、25gを1食分とし、イタリアから冷凍輸入したものを店舗で8等分にして使用します。25gの使用ですが、ブッラータチーズは濃厚なチーズであるため、しっかりと価値を感じて頂ける量です。また、8等分することでチーズの外身と中身の両方の味わいをしっかりと感じていただけます。
サンドするパンにはイタリア製の伝統的でポピュラーなバラ型のパン“ロゼッタ”を、具材は食事としてもご満足いただけるようにトマトとベーコン、ブロッコリーを挟み込みました。味付けはシンプルに塩・胡椒とサルサポモドーロ(トマトソース)のみです。
商品開発の一つのテーマとして、“驚きのある食材をイタリアンテイストで提供すること”を考えており、2017年に話題となったチーズタッカルビとイタリアンが融合した「イタリアンチーズタッカルビ」を2018年12月に発売しました。
ロゼッタ ブッラータチーズ&ベーコン
セガフレード・ザネッティ・
エスプレッソ・ワールドワイド・
ジャパン 株式会社
SZE店舗事業グループ
マーチャンダイズ
セクションマネジャー 橋爪 由佳
成城石井は、おいしい、こだわった、安心・安全な食品を、世界中、日本中を歩き回り発掘、開発しています。自社工場である当社セントラルキッチンでは、成城石井自家製のお惣菜やパン、デザート、加工肉を製造しています。「プロの味を家庭でも楽しみたい」というお客様のニーズに応えるため、経験豊富な調理人が商品開発と日々の調理・製造を行っています。
当商品は某雑誌「dancyu」とのコラボ企画を背景に開発。近年“スーパーフード”として注目を集めているくるみを使用し、甘さ控えめのほうじ茶のムースとトッピングの餡やくるみ羽二重餅などのマリアージュをお楽しみいただける和洋折衷のカップデザートです。
ほうじ茶ムースには、国産のほうじ茶パウダーをアングレーズベースのムースに混ぜ込み、上質なきび糖を加え、ほうじ茶の風味を保ちつつ口当たりの良いムースに仕上げました。また、コクを出すために卵黄を入れています。なめらかなムースにするためには調理温度が重要であり、低温でじっくりと加熱しています。ムースの上には、くるみ羽二重餅・つぶ餡・黒豆・ローストくるみをトッピングしています。くるみ羽二重餅の羽二重餅は、高級な羽二重粉を1時間ほど練って作ります。中のくるみあんには、ローストしたカリフォルニア産のくるみパウダーを加えています。くるみ羽二重餅の上には、くるみパウダーと国産きな粉をブレンドしたくるみきな粉パウダーをかけました。つぶ餡は、香り高い上質なごま油を1%加えることで、コクを増すとともにほのかに胡麻の香りを感じることができる餡に仕上げました。黒豆は甘さ控えめなものを使用することで、当商品の上品さを引き立ててくれます。ローストくるみは、スーパーフードとしての存在感を醸し出しています。
繊細なほうじ茶ムースとトッピング具材各々の味わいを楽しんで頂けるように、容器は二層式にし、トッピングは中皿に乗せてあります。
当商品は、1日約600個以上を製造し、30種類以上ある成城石井スイーツの中でも5位以内に入る人気商品となりました。また、ほうじ茶ムースへの支持が高いことから、今後はほうじ茶を使用した和スイーツをさらに拡大していきたいです。その他には、扱いが難しい“抹茶”を使用した和スイーツの開発もしていきたいです。
くるみづくしのほうじ茶ムースの和パルフェ
株式会社 成城石井
製造本部 製造部 菓子グループ
原島 利明
ラルズでは、「今日来たお客様が明日も来たくなるような、お客様の期待をはるかに超えた価格と品質、サービスの提供」を使命と考えています。そして、ラルズのデリカ商品は、生鮮方針の安心・安全、鮮度、味、価格に加え、地産地消や見映えにもこだわった商品を開発・製造。また、お客様視点に立ち、食べた際に損をさせない“ラルズでなければ無い商品”や“旬”にこだわった商品を開発することを心掛けています。
「甘納豆がぎっしりつまったお赤飯」は、2018年が北海道命名150年目であることに加え、11月23日の「お赤飯の日」に合わせて開発した商品です。北海道ではコンビニのおにぎりにもなるほどポピュラーな“甘納豆入りのピンクの赤飯”ですが、広めたのは光塩学園女子短期大学初代学園長である故・南部明子先生だと言われています。故・南部明子先生の母親が子供たちの喜ぶ顔が見たいとの想いから考案されたレシピだそうです。甘納豆の他に小豆も使用されますが、当社での甘納豆使用赤飯と小豆使用赤飯の売上比率は6:4または7:3と、甘納豆赤飯への支持が高いです。なお、同業他社でも甘納豆商品の方が売れているようです。
既存の赤飯では甘納豆を30g使用していましたが、お客様からの「甘納豆をもっと入れて欲しい」などの声もありました。今回、5倍以上の170gを使用し、赤飯が見えなくなるほどぎっしりと敷き詰めました。甘納豆が好きな道民のお客様のためと、インパクト抜群の当商品でお客様の驚く顔が見たかったからです。また、近年話題のインスタ映えも意識して開発しました。
製造は当社デリカセンターで行い全店に供給しています。赤飯に使用しているもち米は北海道産「はくちょうもち」を、甘納豆原料の金時豆も北海道産を使用し、地産地消商品です。甘納豆は様々な商品から、甘すぎず、豆の風味が活かされているものを採用。また、どちらも蒸籠で蒸し上げて使用しています。おこわは、北海道では食紅を使用したピンクのものがポピュラーで、ハレの日などの見た目の華やかさから好まれています。
お赤飯やおこわは、以前のように御祝いや行事などでの使用も減り、ダウントレンドといわれますが、当社の赤飯は2018年は平均140%以上で伸長し続けており、仕掛ければまだ伸びるカテゴリーだと考えています。
今後は、おやつやお茶請け的にも使用できる当商品の個食タイプや小豆とのハーフ&ハーフ商品も提案していきたいです。
甘納豆がぎっしりつまったお赤飯
株式会社 ラルズ
商品統括部
生鮮食品グループ第4商品部
デリカバイヤー 永勢 雄紀